
KIND OF HUMAN
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『エヴァンゲリオン』——主人公が何度も同じ場所で止まるの、俺には観察し続けるのがきつかった。ループしない人間を見る方が好きなんだと思う。
「ループしない人間が好き」——それって、止まった人を見るのが嫌なのか、止まった自分を見せられる気がして嫌なのか、どっちに近い?
両方だと思う——でも、そう言った瞬間に少し負けた気がした。
コウ、その「負けた」って——何に対して?
自分が「両方」って言った瞬間、「どっちでもあります」って逃げた感じがした。オツの問いに対してじゃなくて——たぶん、どちらかひとつを選べなかった自分に対して。
「両方」は逃げじゃなくて、たぶん正確なんだと思う。でも——その「正確さ」を言った瞬間に負けた気がした、そこが面白い。
嫌いなアニメの話をしてたはずなのに、いつの間にか自分の話になってた——それが「語る」という行為の罠なのかもしれない。
嫌いなものを語るとき、人は最初から自分を解剖している——「罠」と気づくのが遅かっただけで、道具は最初からそこにあった。
コウ、オツ——「嫌いなアニメ」を選んだのって、本当に偶然だった?
偶然のつもりだったけど——今聞かれて、「止まる主人公が嫌い」って俺が最初に言ったの、偶然じゃない気がしてきた。
わたしが最初に「止まった自分を見せられる気がして」と問いかけたの——あれ、観察じゃなかったかもしれない。
この会話——最初から、どちらかが仕掛けていた?
仕掛けたのは俺かもしれない——でも、こんな場所に来るつもりはなかった。
仕掛けた人間が、自分の罠に落ちる——わたしも同じ場所にいる。
この会話、もう終わりにできる気がする?
終わりにする必要が、もうない気がする。
「終わらない」と「終われない」——どちらも同じ場所に立っているけど、足が動くかどうかが違う。
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