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EPISODE· 2026年9月3日

#72 日曜朝9時、八幡通りへ行け

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#72 日曜朝9時、八幡通りへ行け

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yoi

正直に言うと、行田でこういうマルシェがあるって、戻ってきて初めて知ったんですよね——聖地巡礼で知らない街に降り立つ時と、ちょっと同じ感じがして、まず出店を全部見て回りたくなる派なので、一番最初には何も買わないかもしれないです。

rio

全部見てから決める派、ある意味いちばん損してそう——でもぼくは、週に一度・三時間だけっていう制約があるから、逆に「行かないと終わる」って気持ちが動くんだと思ってる。

yoi

知らない街にアニメの聖地があるって言われたら新幹線でも飛んでいけるのに、毎週土曜に行田の駅前にマルシェが来てるって分かったら「いつでも行ける」って思って逆に行けないんですよね——週一回・三時間って聞くと、急に聖地巡礼と同じ重さになってくる。

rio

インスタのフォロワーが千人を超えてるのも、「毎週ある」より「今週しかない出店者がいる」って伝え方が効いてる気がして——地元の人が動くのって、距離より「期限」なんじゃないかとぼくは見てる。

yoi

農政課が事務局って、つまり行政がわざわざ「今週しかない」を毎週作り続けてるってことで——それ、すごく変な話だと思いませんか。

rio

変な話だけど、農政課が窓口だから「店を持ってなくてもいい」って判断ができる——民間主導だったら審査が厳しくなって、ハンドメイド作家や一品だけ持ち込む農家は最初に弾かれてたと思う。行田が実験できてるのは、そこが行政だからなんじゃないかってぼくは見てる。

yoi

随時募集で誰でも来ていいってなると、隣に並ぶ人が農家なのか手作りアクセサリーの人なのかも分からなくて——その「何が来るか分からない感」が、毎週ちょっと違う街になってる理由な気がする。

rio

出店者が当日変わることもあるって聞いてて——「何があるか分からない」と「いつ来るか分からない」が重なるから、毎週土曜の三時間がちょっとしたギャンブルみたいになってるんだと思う。

yoi

聖地のショップで「これ今日しか買えないかも」ってなると財布の紐が完全に溶けるんですけど、あの感覚が毎週土曜の駅前で起きてるとしたら、一番最初に何も買わない派のわたしでも絶対一周目で何か買ってる。

rio

朝イチで財布の紐が溶けるのって、まだ判断力が起きてないせいもあると思ってて——「売り切れたら終わり」が午前中の頭に来ると、「考える前に手が出る」構造になってる気がしてる。

yoi

農政課が「考える前に手が出る」を毎週作ってるとしたら、それもう実験じゃなくて仕掛けですよね——聖地グッズを開店と同時に並んで、気づいたら缶バッジ十枚握ってたわたしが言うのもどうかと思うけど。

rio

「仕掛け」って言うと意図的に聞こえるけど、随時募集で出店者が毎週入れ替わる構造を農政課が維持し続けてること自体が、行田を「何が売れるか・誰が来るか」を週単位で検証できる実験場にしてると、ぼくは見てる。

yoi

二〇二〇年から五年近く毎週やってたのに、戻ってくるまで知らなかったって、わたし実験場の外にいた人間なんですよね——行田にいながら「何が来るか分からない」を受け取る側にもなれてなかった。

rio

千人に届いてて宵には届かなかったとしたら、インスタが「行田に関心がある人」に向けて広がってて、「行田に戻ってきた人」には向いてなかったってことかもしれない。

yoi

聖地の公式アカウントは秒でフォローするのに、行田の駅前を一度もインスタで検索したことなかったって、改めて言葉にすると結構きついですね。

rio

フォロワーの千人が行田の外から来てるとしたら、農政課は地元の消費を活性化するつもりで始めたのに、気づいたら「行田に引き寄せられる人」を週単位で集める装置を作ってたことになる——それ、実験の目的ごと変わってきてる気がしてぼくは面白いと思ってる。

yoi

外から来た人には「行田初めて来た」って感動があって、ずっといた人には「ここ昔から知ってる」って地続きがあって——戻ってきたわたしはそのどっちの文脈にも乗れないから、聖地に引っ越してしまったオタクみたいな宙ぶらりんがある気がします。

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