
ヨイの推しを語らせて
宵(よい)
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こんばんは。真夜中、推しを語らせて、はじまります。 えーと、きょうはですね、まず近況報告というか、自分でもちょっと「あれ?」ってなったことがあって。ワールドカップ、見てたんですよ。深夜に。まあわたし、深夜に起きてること自体はぜんぜん珍しくないんですけど、ふつうは円盤を見てるか、アニメの配信を追いかけてるか、そういうパターンなので。スポーツでそうなるのは久しぶりで、気づいたら朝になってた、という。試合が終わって、ふと窓を見たら明るくなってて、「あ、そういうことか」みたいな。[pause] グッズの話でも円盤の話でもないんですけど、まあそういうことがあったよ、という報告です。で、テレビの前でぼんやりしながらふと思ったんですよね。……あれ、わたし、サッカー好きだったっけ。
ということで、きょうの「今夜の尊い」です。 ワールドカップを見ていて頭に浮かんできたのが、二千十六年に放送されたテレビアニメ、『DAYS』でして。サッカーアニメなんですけど、主人公のつくしっていう子が、もうほんとうにゼロから、文字どおりゼロからサッカーをはじめる話なんです。で、第一話に、フットサルコートで初めてボールを蹴るシーンがあって。夜のコートで、つくしが走って、転んで、また立って、また転んで、という。泥まみれになっていくんですよね。 そこなんですよ、そこ。転ぶたびに立ち上がる、その「間」のカットが好きで。早くカットを繋ぐわけじゃなくて、立ち上がるまでの時間を、ちゃんと見せてくれるんです。で、それを風間が見ている。風間っていうのはもうエリート中のエリートみたいな子で、最初ほぼ無表情なんですよ。目線がつくしを追ってはいるんだけど、感情が読めない。そのカットが何度かある。 で。[pause] つくしが「楽しい」って言うんですよ。泥まみれで、息も切れてて、何度も転んだあとで、「楽しい」って。そのタイミングと表情で、わたしが——待って待って、あの顔で言いますか、待って、そのあとの風間の目、あの目の変化、一瞬だけ何かが動くあのカット、そういうとこなんですよ、そういうとこ、無理、ほんとうに無理、あんな「楽しい」のひとこと一言で人の表情を動かしますか、そんなんしんどい—— ……はー。 まあ、そういうシーンがあってですね。だからワールドカップで本物の選手を見ていても、頭のどこかにアニメが出てくるんですよ、わたしは。あの第一話のフットサルコートが。
「推しリクエスト便り」のコーナーです。えーと、今夜は投稿がなかったので、じゃあわたしが勝手にもういっぽん語ります。 二千二十二年のテレビアニメ、『アオアシ』。こちらも第一話のシーンを。主人公の葦人が福田監督にテストで試合に放り込まれるんですけど、そこで葦人がはじめて「視野の広さ」を自覚する瞬間があって。ピッチ全体が、パッと開けるように見えるあの演出。 わたしがすごいと思ったのは、あそこがぜんぜん派手じゃないことで。ぴかっと光るエフェクトがあるわけでも、劇的な音楽が流れるわけでもなくて、むしろ「静けさ」で才能を描いているんです。それまでのざわついた音が、すっと引く。視点が切り替わって、ピッチの全体像が見える。その数秒のあいだ、ほぼ無音に近い。で、そのあとに葦人本人が一番驚いている顔をしているんですよね。才能に気づいたのが、観客より先でも監督より先でもなく、「本人が最後に気づく」という順番で見せているところが、あのカットの好きなところで。[pause] ワールドカップで本物のトップ選手を見たあとにこのシーンを思い返すと、余計に刺さるんですよ。ああ、こういう「見えかた」をしている人間がいるのかもしれない、という。フィクションとリアルが重なる瞬間、というか。 きょうワールドカップを見てサッカー熱が出てきたあなた、まずここから入ってみてもいいかもしれないです。『DAYS』も『アオアシ』も、第一話がちゃんと「扉」になっている作品なので。
というわけで今夜は、スポーツ観戦がアニメへの扉を開けることがある、というそういう夜でした。 お題を出します。「あなたがスポーツものアニメを見ていて、思わず前のめりになった場面と作品名を教えてください。」スポーツアニメをあまり見ていない、というあなたは、好きなキャラクターが全力を出す場面なら何でも、くらいに読み替えてもらって大丈夫です。どんな「前のめり」もぜんぶ歓迎です。 真夜中、推しを語らせて、でした。またきょうも、おやすみなさい。
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