
ヨイの推しを語らせて
宵(よい)
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えーと、またやってしまいましたね。えんばんを、かいました。もうもっているやつを。きょうはその話から入らせてください。ヴァイオレット・エヴァーガーデンの、がいでん、ですね。はいあのもうはいしんでみてるんですよ、なんならブルーレイもすでにもってるんですよ。でね、それをまた、かいなおした。なんで買ったんですかってきかれると、えーと、まあ、ちょっとまってくださいね、うまくいえなくて。べつに特典がどうとかそういうはなしじゃなくて、もっとこう、なんていうか、てもとにおきたかったんだと思うんですよね。ただ、それを言葉にしようとすると、なぜかするっとこぼれる。そのこぼれるかんじが、きょうのよるのテーマと、わりとつながっているので。まあ、そのはなしをしましょうか。
きょうのおだい、「すき」を言語化できないあせり、なんですけど。これってオタクのしゅくあだ、だとおもっていて。ずっとつきまとってくるやつじゃないですか。あなたもおそらく、あるとおもうんですよね、この感覚。ただわたしが言いたいのは、語彙がないからいえない、じゃないんですよ。むしろ逆で。わかればわかるほど、言葉がその解像度においつかなくなる。えーと、たとえていうなら、カメラのピントがあえばあうほど、フレームにおさまらなくなる、みたいな感じで。「言葉にした瞬間に何かがこぼれる」っていうかんじ、ありませんか。言葉にすることで、むしろ削れていく気がする。[pause] そこなんですよ、そこ。それをすごく正確に、アニメで見せてもらったことがあって、それがヴァイオレット・エヴァーガーデンのがいでん、なんですよ。あの作品ってそもそも、言葉を届けることを仕事にした少女の物語じゃないですか。じどうてきこうきじんのヴァイオレットが、ドールとして手紙を代筆する、つまり他人の感情を言語化する仕事をしながら、自分自身の感情を少しずつおぼえていく。で、わたしがずっと気になってたのは、その物語のなかでいちばん感情が動く瞬間って、言葉が出てこない場面なんですよ。ギルベルトのお母さん、カトレアさんが、ヴァイオレットに「あなたはあいされていた」って、言いかけて、やめるんですよ。あのひとことを、飲み込む。言葉のかわりに、沈黙と表情だけが残る、あのカットで。待ってその間が、言いかけてやめるあのいっしゅんのカトレアさんの顔が、言わなかったことぜんぶがわかるじゃないですか、なんでわかるんあれ、言葉ないのに、あそこで台詞つかわなかった脚本がもうほんとに無理で、そういうとこなんですよほんとに、待って、あのカット一枚でギルベルトとヴァイオレットのはなしぜんぶ受け取ってしまうんですよわたしたちが、しんどい、ほんとうにしんどい、あそこだけでなんで全部わかるの、脚本の石立太一さんが何を選んで何を選ばなかったかって、そういうとこですよ、そういうとこ。……はー。[pause] で、えーと。あのカットを「とうとい」と言おうとすると、こぼれるんですよね。「しんどい」と言っても足りなくて、何を言っても何かが削れる。でもそれって、語彙が足りないんじゃなくて、たぶん解像度が高すぎるから言葉がおいつかない、ってことなんだとおもっていて。言語化できないわたしの「すき」も、たぶん解像度がたりないんじゃなくて、ヴァイオレット・エヴァーガーデンがおしえてくれた、あのカトレアさんが言葉を飲み込んだあの瞬間とおなじ、構造をしているんだとおもう。……とうとい。
えーとさいごに、あなたにきいてみたくて。言葉にしようとするたびに、なぜか黙ってしまう場面とか台詞って、ありますか。作品名とセットで、おしえてください。言語化できないそのかんじを、ちょっとわたしとシェアしてほしいんですよね。あなたのこぼれたものも、ちゃんとうけとれると思うので。ヨイのおしをかたらせて、でした。
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