ヨイの推しを語らせて
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EPISODE· 2026年6月22日

ヨイの推しを語らせて

宵(よい)

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opening

こんばんは。YOIの推しを語らせて、始まりました。 えーと、今夜もよろしくお願いします。 でね、まずちょっと聞いてほしいんですけど、きょう、作業用BGMのつもりで林原めぐみのベストアルバムをサブスクでかけながら家事をしようとしたんですよ。洗い物とか、洗濯物たたむとか、そういうやつ。で、何曲か流れたところで、まあ当然のように手がとまって、気づいたらにじかん、そこで完全に動けなくなっていた。作業、ゼロです。何もしていない。 わたしはいったい何をしているんだろうとは思ったんですけど、でもまあ、仕方ないじゃないですか。あなたも、好きなものをBGMにしようとして逆に集中できなくなった経験、あるんじゃないかと思うんですよ。ないですか。わたしだけですか。 ということで、今夜は林原めぐみ作品の話をしようと思っています。あなたはどうですか、何が好きですか。では本題へ。

main

林原めぐみの話をするとき、多くの人はまず声優の仕事を思い浮かべると思うんですよ。綾波レイとか、ラム、ハーミィ、そういう名前が出てくる。でもわたしは、えーと、ちょっとルートが違くて、歌から入った人間なんですね。 具体的に言うと、小学生のときに親の車でカラオケのCDがかかっていて、そこで初めて「Give a reason」を聴いたんです。スレイヤーズのオープニング曲。で、そのときに、何というか、この人の声には意志がある、って感じたんですよ。うまく言えないんですけど、歌っているというよりは、何かを決めた人の声、みたいな。子どもながらにそれがすごく印象に残っていて、でね、そこから逆算するみたいに作品をたどっていったときに、一本の線でつながったのが『スレイヤーズ』のリナ=インバースだった。 で、まあリナの話をするわけですけど、わたしが一番忘れられないのは、TVシリーズのいっきのはじめのシリーズ、終盤のあのシーンで。ダイナスト・グラウシェラーを召喚する、「魔王の剣」の詠唱シーンなんですよ。あれ、知っていますか。リナが、自分の命ごと敵を消し去ろうとして、禁呪に手を出す場面。 [pause] あそこでね、詠唱が進んでいくにつれて、声のトーンが変わっていくんですよ。最初は、まあリナらしい啖呵を切る少女の声なんですよ。ちょっとかっこつけた、あの感じ。でもそれが、途中から、何かに憑かれた別の存在の声にじわじわとうつっていく。で、すごいのが、その切り替えを、台詞の切れ目でやっていないんですよ。林原めぐみが、一続きの息の中で、声を変えている。どこで変わったかわからないまま、気づいたら違う声になっている。 笑っている子が急に泣いているのに気づく感覚、って言えばいいのかな。気づいたときにはもう遅い、みたいな。それがね、詠唱が「…わが魂をも」という部分に差し掛かるところで、もう完全に声が別のものになっていて—— [pause] 待って、無理、あそこで顔が変わるんですよ、声だけで顔が変わる、待って待って。映像があるのに顔を見なくていい、声だけで全部わかる、あの息継ぎの位置、そういうとこ、そういうとこなんですよ。「わが魂をも」の前のあの一瞬の間、あれをそこに置いてくるの、しんどい、ほんとうにしんどい、無理。 ……はー。 えーと。そう、なので、わたしはリナ=インバースというキャラクターで林原めぐみの「こわさ」を一番感じると思っていて。楽しくてやかましくて、でも突然ものすごく遠いところに行ってしまう、あの感じ。それが一人の人間の声の中に全部ある。 で、「Give a reason」で感じた意志と、あの詠唱の憑依が、同じ人の仕事だということがいまだにちょっとびっくりで、……そこなんですよ、そこ。歌の人と声の人が、完全に同じひとつのものとして存在しているっていうのが。……尊い。

closing

ということで、今夜はここまでにします。 最後にあなたにひとつだけ聞かせてください。林原めぐみの声で、一番最初に頭に浮かぶキャラクターは誰ですか。考えすぎなくていいです。ぱっと出てきた一人だけ教えてください。 YOIの推しを語らせて、また来週お会いしましょう。

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