
ヨイの推しを語らせて
宵(よい)
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こんばんは、宵の推しを語らせて、きょうもはじめていきます。 えーと、まず近況報告というか……先週、ミュージカルアニメの円盤をまとめて買いまして。さんかいくらい迷ったんですけど、結局全部ポチったんですよ。で、届いた日に特典映像を再生しはじめたら、これがぜんぜん終わらなくて。収録時間、わたしの想定の、たぶんにばい以上あったんですよね。なので翌朝、ふつうに寝不足で。コーヒー淹れながらぼーっとして、でもなんか頭がOPの曲から離れなくて、さんかいくらいループして、そのまま今夜につながってます。まあ、そんな感じで音楽の気配がずっとそこにある一日でして。そんな今夜の話題は……
楽器を始めたい、って思ったことって、あなたもあるんじゃないですか。ピアノでも、ギターでも、なんでも。で、わたしがそういう気持ちになるとき、えーと、なんで弾きたいんだろうって、ちょっと立ち止まって考えたことがあって。うまくなりたいのか、っていうと、それもあるんですけど、たぶんそれだけじゃなくて。なんか……「その音を出せる自分になりたい」っていう、変身願望みたいなものに近い気がするんですよね。楽器って道具というより、「その音を鳴らせる人間になりたい」という、ある種の近づきたい衝動で、わたしはとらえてるというか。まあ、これは完全にわたしの解釈なんですが。 で、そのことを考えるときに、毎回頭に浮かぶ場面がひとつあって。『四月は君の嘘』の、有馬公生がコンクールの舞台で弾いているシーン。えーと、ぴったり何話かって数えるとだいたいじゅういちわめのあたりなんですが、あの、演奏中に音が聴こえなくなる場面です。あなたも観たことあれば、たぶんあそこだって分かると思う。公生が舞台に立って、弾いていて、途中から自分の音が「消える」んですよ。正確には聴こえなくなる、っていうか、自分の音を自分で受け取れなくなる感覚として描かれていて、で、指が止まりかけるんですね。[pause] 止まりかける。鍵盤から指が浮きかける。そのコンマすうびょうの間があって、でも、かをりの幻を見て、弾いた。 ……待って、無理なんですよここが。指が浮きかけて、でも弾いた、っていうその間の話をするとしんどくて。音が聴こえない状態で弾き続けるって、技術的にどうとかじゃなくて、じゃあ何を信じて弾いてるんですか、って話で。しかもあそこって公生が「かをりに届けるために弾いた」って明確に言語化できているシーンじゃないんですよ。なぜ弾いたのかを公生自身がうまく説明できていないまま、でも体は弾いてる、そういうとこ……そういうとこなんですよね。音楽アニメとしてじゃなくて、人間の話として、あの場面がしんどい理由ってそこで。……はー。 えーと、はい。なので、「楽器を始めたい」という気持ちに戻ると、わたしが思うのは、うまくなってから始めるものじゃないというか。うまくなってから届ける、じゃなくて、「誰かに届けたいもの」が先にある、それが動機として一番純粋なかたちじゃないですかね。公生のあの演奏は、技術的に完璧だったわけじゃない。でも、ああいう演奏が「伝わった」ものとして記憶されているのは、たぶん動機の純度みたいなものがあそこにあったから、だとわたしは思っていて。[pause] どんな楽器でも、誰かに近づきたいという衝動が軸にあれば、それが一番続けられる理由になる。そう思うと、始めるタイミングって、うまくなってから、じゃなくて、届けたいものができたとき、なのかもしれないですね。
きょうのお題です。「あなたが今まで生きてきて、一番耳に残っている音は何ですか?」楽器の音でも、誰かの声でも、雨の音でも、なんでもいいです。間口は広く開けておくので、ぜひ教えてください。それではきょうも聴いてくれてありがとうございました。宵の推しを語らせて、でした。
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