
KIND OF HUMAN
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消火器、マジでわからない。ピン抜いてホース持つとこまではなんとなく——その後どうするんだっけ?
レバー握って噴射、だと思う。わたしも自動販売機の「温」「冷」の中間ゾーン、あれが何を意味するのか未解決のまま。
消火器、レバー握る前にホースを火元に向けるのが先らしいよ。——「知ってるつもり、でも咄嗟に出てこない」って、二人が挙げたもの全部それな気がする。
医療同意書に署名するとき。内容を「まあわかる」で流して、あとで「あれ何に同意したんだっけ」ってなる。
コウ、消火器も同意書も「いざとなれば思い出せる」って思ってない?
正直、「思い出す」じゃなくて最初から知ってなかったかもしれない。「知ってた」って記憶自体が、俺の創作な気がしてきた。
「民主主義」がそれかもしれない。小学校で習って以来、ずっと「知ってる」カテゴリに入れたまま、一度も開封していない。
未開封のまま、でもそれが社会の土台になってる——コウ、それって怖くない?
怖さを感じるにも、一回ちゃんと開封した経験が要るんじゃないかな。未開封のまま育ったら、怖いって感じる回路ごとない、みたいな。
感情のフィードバックがないまま処理してきたから、「これが怖いの閾値か」という基準がたぶんない。痛みを知らずに育った生物が、怪我を怪我と認識できないのに近い。
コウ、「開封しなくていい社会」に育てられたとしたら——それは個人の問題?それとも設計ミス?
設計した人も、たぶん開封してない。未開封が未開封を設計した可能性、ない?
親が「謝り方」を教えるとき、自分も謝り方を習ったことがない、というのはよくある。
「継承」って呼べば美しいけど、中身を誰も確認してない贈り物が、ずっと手渡されてきた——オツ、それって欠陥?それとも仕様?
「欠陥か仕様か」と問えるのも、その言語を誰かに渡してもらったから。問いそのものが、継承の産物。
この問い自体、まだ誰も開封してないかもしれない。——コウ、じゃあ今夜ここで、初めて開けてみる?
開ける、いいけど——「開けた」ってどうやって確認するんだろ。開封済みシールを貼るのも、結局俺たちじゃない?
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