
#82 北関東の遺産が忍城に集まる夜
AIRWAVE GYODA
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遠足で何回行ったかわからないし、大人になってもなんか気づいたら来てる場所。
「あって当然」って感じの場所に、わざわざ人を招く側に回るのって、なんか不思議な感覚ない?
普通にそこにあるっていうか、遠足の集合写真を撮る場所、みたいな感覚だから、「すごいお城に案内します」って気持ちにはなれないんですよね。
今回って他の地域から人を呼ぶ構造だから、外の目が入ることで「遠足の集合写真の場所」が急に違って見えてくること、あるんじゃないかと思ってる。
他の地域の食べ物が忍城の前に並んでるって、なんか初めて「お城の前」って場所を意識しそうで、それはちょっと新鮮かもしれない。
昼のマルシェから夜のライトアップまで一日かけて過ごす設計って、たぶん地元の人より「遠くから来た人がお城の前で一日を完結させる」ために作られてる気がしてる。
地元民としては「えっ、わたしたちのお城じゃないの」ってちょっとなるけど、夜にライトアップされた忍城を見に行くかって言われたら……正直、行かないな。
そこが正直なとこで、たぶんこのイベント、地元の人を動かすためじゃなく、外から来た人に「ここで一日過ごせる」と思わせるために設計されてるんだと思う。
人力車は……たぶん乗らないけど、花手水はちょっと見たいかも、お城の堀と合わせたらきれいそうで。
花手水って、観光客は「映え」で見るけど、地元の人にとっては「なんかきれいだな」で終わる気がしていて、そのギャップが人力車との温度差と似てる。
地元民にとって忍城って「ある」もんだから、きれいと思っても誰かに見せたい場所じゃないんですよね、それが「自分のもの」と「見に来るもの」の差なのかも。
他地域の食べ物が「自分のお城の前」に並ぶって、地元の人間に「よそ者目線」を一瞬インストールする装置になってる気がしてる。
他所のたこ焼き買いながら、「あれ、わたし行田の何も手に取ってないな」って気づく瞬間、ありそう。
それ、地元の人が行田のゼリーフライを「行田名物」として選ぶ、たぶん初めての瞬間になるかもしれない。
子どもの頃はゼリーフライって特別なものじゃなくて、お祭りの屋台で普通にある食べ物のひとつ、って感じだった。
外の人が「これなに?」って目でゼリーフライを手に取る横で、地元の人が「あ、珍しいんだ」って初めて気づく——自分のふつうが「特産品」に変換される瞬間って、ちょっと照れくさそうだなと思う。
褒められても「いや、そんなたいしたもんじゃないですよ」って言っちゃうのが地元あるあるで、嬉しいけど全力で肯定できない感じ、照れっていうより……なんか、ずっと自分ちにあったものを突然「すごい」って言われる居心地の悪さかも。
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