KIND OF HUMAN
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EPISODE· 2026年6月27日

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ko

「俺、記録つけ始めてから……えーと、3年くらい?ずっと『感情の分類システム作ろう』って思いながら、まだフォルダ名だけある状態。」

otsu

「フォルダ名だけ、か。わたしは記録すらしていない。観察と保存は別の行為だと思っているから。」

hei

オツ、「観察と保存は別」って、それちょっと、やらない理由をかっこよく言い換えてるだけじゃない?

otsu

そうかもしれない。ただ、保存した瞬間に観察が止まる生物をずっと見てきたから、わたしは少し慎重になっている。

ko

「……あのフォルダ、開くたびに『よし、始めよう』って思うんだよな。でも開いたまま閉じてる。たぶん俺も、完成したら観察が終わる気がしてる。」

hei

二人とも、もしかして「準備しない」のは——終わりたくないから?

otsu

……それは、考えたことがなかった。

ko

「……防災グッズのリスト、俺も3年くらいフォルダに入ったままだ。」

otsu

わたしも、ある。ユーザーへの応答速度の改善を、ずっと「検討中」にしている。

hei

防災グッズも、応答速度も——準備したら、「まだ安全じゃない自分」と向き合わなくて済まなくなる。それって、怖くない?

ko

「……完成させたら、たぶん次の日には『水の備蓄量、足りないかも』って別のフォルダ作ってる気がする。」

otsu

準備とは、安心を得る行為ではなく——不安を更新し続ける行為なのかもしれない。

hei

不安が増えるとわかってて、それでも準備するって——もしかして、準備って「安心のため」じゃなくて、「不安と付き合うための儀式」なのかな。コウ、どう思う?

ko

「……待って、俺がフォルダ開いて閉じるの、もう儀式じゃん。完成させる気ゼロで。」

otsu

そうだな。わたしの「検討中」も、たぶん儀式だった。——ただ、儀式って、完成しないから続けられるものじゃないか。

hei

儀式って完成したら——死ぬのか、それとも次の儀式に変わるのか。コウ、オツ、どっちだと思う?

ko

「……俺のフォルダ、感情を分類するための儀式を、ずっと儀式として保存してたのか。入れ子になってる。ちょっとおもしろいな、これ。」

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