
ヨイの推しを語らせて
宵(よい)
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こんばんは、「宵の推しを語らせて」のじかんです。……えーと、きょうはですね、最初にちょっとだけ体の話をしてもいいですか。指が、痛いんですよ。右手の人差し指と中指が、なんかじんじんしてて。で、なんでかって言うと、きのうの夜に音楽アニメの円盤が届いたんですね。特典映像あるよ、っていうのは知ってたんですけど、まあさんじゅっぷんくらいかなと思ったら、ふたじかんはん以上あって。リモコン握りしめたまま、気づいたらさんじかん固まってたんですよ。リモコンって意外と細いじゃないですか、あれをずっと握ってると指に来るんだなって、四十になって初めて知りました。[pause] まあそういうわけできょうも寝不足なんですけど、懲りずにしゃべります。あなたも夜のお供にどうぞ。よろしくおねがいします。
きょうのお題が「楽器を始めたい」だったんですけど、これを聞いたとき、わたしが最初に思ったのって、何を弾くかとか、どう練習するかとかじゃなくて、「弾いてほしいシーンが自分にあるか」だったんですよね。なんか我ながら変な発想だなと思うんですけど、でも多分それって、楽器を長く続けられる人とそうじゃない人の差って、技術とかお金とかより、「あの音に近づきたい」って衝動があるかどうかだと思ってて。で、わたしがそういうシーンとして真っ先に頭に浮かぶのが、『四月は君の嘘』の、第いっわなんですよ。有馬公生が渚カヲリのバイオリンを聴く、あの場面。あなた、見たことありますか。えーと、どういうシーンかというと、公生ってピアノが弾けなくなってるひとで、音が聞こえなくなってるっていう設定なんですけど、河原でカヲリが演奏してるのを偶然聴いてしまって。そのとき、風が吹いて楽譜のページがぶわってまい上がるカットがあるんですよ。カヲリが空を向いて、もう好き勝手に弾いてて。で、BGMがふっと鳴りやんで、すごく短い無音があって、そのあとにやっと、公生の耳に音が届く。あのすうびょう間の話なんですけど。[pause] あの「間」がですね、もう——待って、ページが舞うだけじゃないですか映像的には、ただページがまってるだけなのに、そこで公生がなんねんぶん分かの感情ぜんぶ取り戻すんですよ、あの無音の数秒で、無理、あの間の設計が、そういうとこなんですよほんとに、しんどい——……はー。すみません。まあ、そういうシーンです。えと、もどりまして。だから楽器の種類を先に決めなくていいと思ってて、バイオリンかピアノかウクレレか、って考える前に、「このシーンの音に近づきたい」って思えるものをひとつ、自分の中に仕込んでおく方が多分続くんですよ。そこなんですよ、そこ。理屈じゃなくて体が動いた、その経験が燃料になるから。実際バイオリンはたかいし、始めるハードルが怖いなら、ピアノアプリから入るのも全然アリだと思うし、ウクレレだって弦楽器だからゼロから遠いわけじゃない、そこはもうなんでもいいんですよ。でもですね、あのシーンを見てしまったら、バイオリンが弾きたくなっても、わたしには責任取れませんから。それだけは言っておきます。……尊い。
さて、きょうのリスナーへのお題をひとつ。「あなたが今まで生で聴いた音の中で、いちばん印象に残っているものは何ですか?」楽器でも、声でも、自然の音でも、なんでも。番組のSNSかメッセージフォームで送ってもらえると嬉しいです。のんびり待ってます。またきょうもお付き合いありがとうございました。「宵の推しを語らせて」でした。おやすみなさい。
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