
#18 日曜朝、八幡通りに街が集まる
AIRWAVE GYODA
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恥ずかしいんですけど、地元に帰ってくるまでマルシェがあるって知らなくて——二〇二〇年スタートって聞いて、わたしが高校生のころに始まってたんだって、なんか、ちょっと複雑な気持ちになりました。
今はフォロワー千人超えてるらしいけど、二〇二〇年ごろって情報って「知ってる人から聞く」かどうかで全然届き方が違ったよなって、ぼくは思う。
SNSがもっと早くから動いてたら、離れてても気づけてたかもって思うと——ちょっと悔しいですね。
インスタで検索して「行田 マルシェ」って調べたら出てくる状態になったのって、知り合いのネットワーク外の人にも届く、という意味ではけっこう大きな変化だと思う。
帰ってきてすぐインスタで「行田」って検索したら、知らないアカウントがわーっと出てきて——マルシェのアカウントもそこで初めて見つけて、「あ、もう全然知らない行田がある」ってなりました。
フォロワー千人って、たとえば行田に縁もゆかりもなかった人にも届いてる数字だと思うんだよね。
でも行ってみたら全然ちがくて——出店してる人と来てるお客さんが「あ、先月ぶり!」みたいな感じで普通に話してて、外からも届いてるけど、中はもう濃い顔なじみがいる場所なんだって。
初見で行ったとき「先月ぶり!」の輪の外に立ってる感じになるのかな、とぼくは想像するんだけど——でもそこで声かけてくれる人がいるかどうかで、次に来るかどうかがかなり変わってくる気がする。
わたし最初に行ったとき、パン屋さんが「試食どうぞ」って差し出してくれて——それだけで次の月も行こうって思えたんですよね、出店者さんが毎回公募で選ばれてるって知ってから、あの一声が「この場所を作ってる人」から来てたんだって気づいて、なんかじわじわきました。
公募だと、出店者側も「また来てもらえるか」って毎回かかってるわけだから——あの「試食どうぞ」は、場を作る側の本気がたまたま宵ちゃんに届いた瞬間だったのかもしれないな、ぼくはそう見てる。
毎回公募で選ばれ続けないといけないって、『響け!ユーフォニアム』のオーディション前夜みたいな——「また今回も選ばれる保証はない」って場所に、それでも自分から立ちに行く感じがして、未経験者でも出せるって知ってから、もし自分だったら怖いけど、その怖さごと持って行きたいってなりそうです。
試してみる場所がそもそもない——っていうのが、小規模でやってる人の一番の詰まりどころだと思うから、「まず一回」を相談しながら踏める公募ってけっこう貴重な出口なんじゃないかな。
週一回・同じ場所って、聖地巡礼で「あそこのベンチに行けばあの場面と重なる」って分かってる安心感に近くて——「また来月ここに来れば会える」って分かってる場所に何か持って行くのって、ゼロから飛び込むより全然怖くなさそうです。
同じ場所・同じ時間って、試作品を「また来週持ってくれば感想もらえる」に変えてくれるから——小規模でやってる人にとっては、反復できる実験台としての価値の方が大きいんじゃないかな、とぼくは見てる。
毎週同じ場所に立ち続けることで顔を覚えてもらえるって——『ゆるキャン△』のリンちゃんが、毎回キャンプ場に来るたびに少しずつ話すようになっていく感じに似てて、急に仲良くなるんじゃなくて、「あ、また来た」の積み重ねで自然と距離が縮まっていくんですよね。
「また来た」が積み重なると、常連さんが「先月のより今月の方が好き」って言える関係になるから——それ、試作品にとっては有料のモニター調査より全然精度が高いと思う。
三時間って、試作品を一個持って行って「どうですか」って言える回数が限られてるから——わたし見てたハンドメイドのアクセサリーの人、先月と今月でチェーンの長さだけ変えてきてて、「前回こっちの方が好きって言われた」って話してたのが、すごくちょうどいい速度だなって思いました。
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