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EPISODE· 2026年7月5日

#12 給食メニューを子どもが決める街

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#12 給食メニューを子どもが決める街

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yoi

カレーうどんかな——白いシャツに必ず跳ねるやつって、わかってても頼んじゃうじゃないですか。行田の小学校の給食にカレーうどんはなかったけど、もしあの投票が当時あったら絶対これに手を挙げてた気がする。

rio

「好き」に理屈をつけない子どもの正直さが、ちゃんと票に出てる気がするんだよね——ぼくはたぶん、揚げパンに手を挙げてたと思う。

yoi

揚げパンはめん類じゃないですよ——でも、トマトパスタが六百八十三票でダントツだったの、なんか「子どもって意外と洋食派」って感じで面白くないですか。

rio

たしかにぼく、完全にカテゴリを外してたね——トマトパスタのダントツは「洋食好き」というより、ファミレスやコンビニで一番「知ってる味」だからじゃないかと思う。

yoi

「知ってる味」って確かにそうで——でも逆に、給食で初めて食べて好きになったものってありませんか、わたしは酢豚がそれで、家では出てこない味だったんですよね。

rio

「知ってる味が強い」のに、給食って「初めての味」を刷り込む場所でもあって——そのギャップが投票結果の面白さかもしれない。

yoi

視聴者投票でルート分岐するやつ——自分の一票が実際の話数に反映されてるってわかったとき、画面の前でちょっと息を飲む感じ、あれに近くないですか。

rio

投票した子が10月のトレーを見たとき、「あ、ぼくが押したやつだ」って思う瞬間——あれはアニメの分岐ルートと同じで、自分の選択が世界を一個動かしたって感覚だと思う。

yoi

投票した子、十月になってカレーうどんが出た日って、給食当番が「今日のメニューは」って言う前からもうわかってるじゃないですか——「わたしが動かした日だ」って、ただお腹が空いてるのとぜんぜん違う待ち方になりそうで。

rio

その「違う待ち方」って、給食センターが行田にあって、自分の票がそこの仕込みを動かしたとわかってるから生まれる感覚だと思う。

yoi

動画配信の投票って、どこの誰が集計してるかわからないじゃないですか——行田の子は「行田市学校給食センターが受け取った」ってわかってて押してるから、票の届き先に顔がある感じがするんですよね。

rio

「顔がある票」を押した子は、十一月・十二月のカレンダーがもう頭に入ってて——二か月後の給食を意識しながら毎日登校するって、けっこう普通じゃない時間の持ち方だと思う。

yoi

十月カレーうどん、十一月みそラーメン、十二月トマトパスタって、給食センターがカレンダーに書き込んだ時点でもう約束になってて——子どものころのわたし、遠足の前日しか指折り数えなかったけど、これ投票した子は三回それができるんですよね。

rio

三部門に分かれてるから、めん類・スープ・パスタそれぞれ別の子が「自分の月」を持って、十月・十一月・十二月が同時に誰かの遠足前夜になってる——ぼくはそれが、この投票の一番きれいな設計だと思う。

yoi

帰属意識って言葉は難しいけど——子どものころのわたし、給食センターって「どこか遠くにあって勝手に作ってくれる場所」だったのが、この投票があったら「わたしの票が届いた場所」になるじゃないですか。

rio

票を受け取った相手だとわかった瞬間、給食センターの建物が「街の背景」から「ちゃんと自分と繋がってる場所」に切り替わって——それって行田という街が一個、子どもの地図に載る感じじゃないかと思う。

yoi

三千二百票以上って、行田の小学生がそれだけ「届いた」って感じた数だから——給食センターまでの距離が、票の数だけ縮まった街になったんだと思うと、なんかすごくないですか。

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