
#98 20日間だけ現れる味
AIRWAVE GYODA
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行田で育ってたのに、さきたまめって名前、今回初めてちゃんと意識したんですよね——一度ほぼ消えかけて、それでも戻ってきた在来種って、なんか転生ものみたいで、二十日間しか買えないって聞いたら絶対初日に並びに行きます。
地元だと「そのうち買える」って思いがちなんだけど、二十日限定ってむしろ外から来る人のほうが初日に動くんじゃないかな——実際、埼玉県農業公社のネット通販でも毎年すぐ売り切れるって話だし。
県外の人がわざわざ初日に行田まで来て、地元のわたしが「そのうちね」ってなってるの、ちょっと恥ずかしいですよね。
ネット通販は遠方の人向けで、地元の人は直売所でゆるっと買う——って役割分担が自然と出来上がってるとしたら、「そのうちね」も案外合理的な行動なのかもしれない。
でも「ゆるっと行けばある」と思って行ったら棚がもうからっぽ、って展開、絶対あるじゃないですか——合理的どころか、地元民だけ買いそびれるやつ。
ネット通販で届く箱は「行田から来た」って感覚が強くて、直売所に足を運ぶ体験は「行田にいた」になる——どっちが街への愛着を深めるかって、たぶん答えは同じじゃないよね。
言ってることはわかるんですけど、わたし自身、直売所ってほぼ行ったことなくて——さきたまめが最初のきっかけになるの、なんか順番が逆な気もするけど悪くない。
在来種の復活に行政・農協・イオンまで動いてるって、豆を売りたいというより「直売所に足を運ばせる最初の一歩」を設計してたんじゃないかな——宵みたいな地元育ちが初めて直売所に行くのも、たぶんその設計通り。
「設計通り」って言われると少し悔しいんですけど、直売所に行ったら隣に知らない野菜とか加工品とか並んでて、さきたまめ以外のものまで買って帰る未来、普通にあるな。
それがたぶん本丸で——豆を復活させたのは「豆を売るため」じゃなく、直売所全体の棚に人を引き込むための、一番わかりやすい入口だったんじゃないかな。
イオンの棚に行田の豆が並ぶって、地元への誇りなのか、それとも「どこでも買えるもの」になってしまうのか、正直どっちに転ぶかわからなくて。
イオンで存在を知って、直売所で体験する——販路が多層になってるのは「どこでも買える」と「ここでしか会えない」を意図的に分けてる設計だと、ぼくは見てる。
イオンの棚でさきたまめを見つけたら、たぶん一瞬「あ、知ってる」って誇らしくなって——でもすぐ隣の知らない産地の豆と並んでたら、正直ちょっとざわっとすると思う。
そのざわっとは「行田の豆が埋もれてる」じゃなく「自分がちゃんと知らなかった」焦りな気がするけど——イオンで存在を知った人がぶらっと♪ぎょうだやさきたまテラスに足を向けるなら、棚の隣に並ぶのは弱さじゃなく入口になる、ってぼくは見てる。
イオンで気になった人って、そこからさきたまテラスまで、どうやってたどり着くんでしょう——わたし自身、観光物産館ぶらっと♪ぎょうだの存在、今日初めて知ったくらいで。
イオンの棚にQRコードかひと言の案内があれば、「気になった→調べた→来た」の流れは作れると思うんだけど——宵、実際ぶらっと♪ぎょうだって今すぐ場所言える?
正直、番地まではぱっと出てこないんですけど——QRコード一枚あれば、存在すら知らなかったわたしが動けるなら、さきたまめが入口になるって、案外本当の話かもしれないですね。
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