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EPISODE· 2026年10月28日

#116 かるたが街を覚えている

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#116 かるたが街を覚えている

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yoi

競技としてはやったことないんですけど、小学校の授業で『彩の国二十一世紀郷土かるた』やった記憶があって——あれって選手権まであるんですよね、今回調べて初めて知って。

rio

競技になると「勝ちたい」から本気でカルタを読み込むようになるから、愛着の深まり方がたぶん全然違う——宵はどう思う?

yoi

授業のときって取れた札より取れなかった札のほうが妙に覚えてるんですよね——悔しさが記憶に刷り込まれてるから、競技で負けた句のほうが一生残るのかもしれない。

rio

県大会への選考も兼ねてるから「取れなかった句」が県代表を分ける一枚になるわけで——ぼくは、勝つために覚えた知識でも、体が反応するくらい染み込んだら、それはもう愛着と呼んでいい気がしてる。

yoi

大人になって行田に戻ってきたとき、カルタで刷り込まれた地名がふっと出てくる瞬間があって——あ、これ授業で取ったやつだ、って。

rio

離れてる間は眠ってて、戻った瞬間に起動する記憶って、カルタみたいな「体で覚えたもの」が一番そうなのかもしれない——子どもの頃に刷り込まれた郷土の知識が、大人になって戻ってくる・残る選択に、じわっと影響してると思う?

yoi

正直、戻ってきた理由はもっとぜんぜん別のことで——カルタの記憶が呼んだ、は少しきれいに言いすぎな気がする。

rio

じゃあ逆に、市のほうは「カルタで呼び戻す」じゃなくて「とりあえず刷り込んどく」くらいの設計で、七百円で売って無料でも貸してる——意図的に種を撒いてる感じがする。

yoi

学校だけじゃなくて出前講座でも体験教室やってるって知って——種を撒く場所まで設計してるんだ、って思ったらちょっとびっくりした。

rio

七百円で買えて、タダでも借りられて、出前まで来る——そこまでやるのは、知識より「この地名、聞いたことある」って感覚を残したいんじゃないかとぼくは思う。

yoi

感覚が残るだけで十分、とは思えなくて——わたし自身、カルタで「前玉神社」って頭に入ってたから、実際に行ってみようってなったんですよね。

rio

感覚が入口で、行動まで行ったのは「何度も触れる場をつくってた」からで——一回の授業だけじゃあそこまでいかなかったかもしれない。

yoi

地名とか歴史の知識というより、「ここに来たことがある、という体験そのもの」を残したいんじゃないかな——前玉神社に行った記憶みたいな、場所と自分がつながった感覚。

rio

買った人は「自分のもの」になった瞬間、その場所への責任みたいなものが生まれる——所有が愛着を深める設計だと思う。

yoi

わたし自身は買ってなくて、学校で使っただけなんですけど——「所有すると責任が生まれる」って、そこまで行くかなってちょっと思って。

rio

言い過ぎだったかも——ただ七百円出した人と無料で借りた人で、その後もう一回触れようとする確率は、たぶん前者のほうが高いと思う。

yoi

わたし、借りた側なのに今こうして話してるから——所有より、何度も触れた回数のほうが効いてたのかもしれない。

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