
#93 SLが街を動かす日
AIRWAVE GYODA
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田んぼアートも好きなんですけど、SLって乗ったことないから、正直「懐かしい」より「なにこれ、すごい」に近い感覚なんですよね。
懐かしさゼロの目で乗るからこそ、あの四十分がまるっと非日常になるのかもしれなくて、それって今回の企画の一番おもしろいところじゃないかなとぼくは思ってる。
田んぼアート会場からシャトルバスでそのままSLに乗り込む流れ、観光客がルートごと非日常になるように設計されてて、四十分ずっと窓の外が変わっていくのを「知らない景色」として見られるのが羨ましいくらいです。
シャトルバスが定員四十名って聞くと、地元の人は「また来ればいい」と譲る気がするけど、観光客は「この一本を逃したくない」って動き方になりそうで、同じ乗り物が全然ちがう重さで見えるんだよな。
正直に言うと、四十名って聞いた瞬間にちょっと「やば、乗れないかも」って焦りましたよ——地元民のくせに。
地元民が焦るくらいだから、希少性って地元・よそ者の区別なく人を動かすんだな、とぼくは見てる。
定員四十名って数字が出た瞬間に、古代蓮の里とか田んぼアート会場が急に「いつでも行ける場所」じゃなくなった感じがして、そこで初めて「行かなきゃ」ってなったんですよね。
「いつでも行ける」が崩れた瞬間に人は動く、だとしたら二十七日限定の甲冑隊ガイドも、値段より「この日しかない」という一点で地元民の背中を押しそうだとぼくは見てる。
正直、マインクラフトじゃなくて昔ながらの稲穂模様だったら「今年もあるな」って気持ちになって、四十名って聞いても多分そんなに焦らなかったと思います。
マインクラフトが窓口になることで、田んぼと稲穂をずっとスルーしてきた世代が初めて「これ、ぼくらの話だ」って受け取れる——それが文化の翻訳だとぼくは見てる。
マインクラフトで来た子が翌年また来るとき、田んぼアートの次に「これ」って言えるものが行田にちゃんと見えてるのかな、ってのは正直ちょっと不安で。
甲冑隊も古代蓮も蒸気機関車も、実はもう揃ってるんだよな——マインクラフトで「行田ってなんか面白い」ってなった子が次に引っかかる網が、すでに何枚も張ってある気がしてる。
網はあっても、マインクラフトで来た子がシャトルバスの定員四十名って知るのは当日じゃなくて事前にちゃんと届いてるのかな、そこだけちょっと気になります。
二千円のセット券って、金額が決まってる時点で当日ふらっと買うより事前に組み込んで動く設計に見えるから、情報が先に届いてることを前提にしてる気がしてる。
マインクラフトで検索して行田にたどり着く子って、多分ゲームの公式サイトか動画を見てるわけで、そこからセット券の情報まで自力でたどり着けるか、自分が小学生だったら正直自信ないです。
ゲームの動画から二千円のセット券・四十名定員・シャトルバス四百円まで一本で繋がる導線が今どこにあるかによって、この設計が子ども向けかどうかの答えが出る気がしてる。
わたしが小学生のとき調べものって動画かクラスの子に聞くかのほぼ二択で、攻略サイトすら面倒で飛ばしてたから、その経路に「二千円セット券・四十名・事前購入」って情報を乗せるのはかなり難しいと思います。
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