ヨイの推しを語らせて
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EPISODE· 2026年6月19日

ヨイの推しを語らせて

宵(よい)

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こんばんは。真夜中、推しを語らせて、始まります。 えーと、まず最初にちょっとだけ報告があって。わたし先週、ハガレンの完全版ブルーレイボックスを買いまして。金額はまあ、言わないでおきます。言うと自分でもちょっと引くので。でね、届いたその夜に「いちわだけ確認のため」って再生したんですよ。いちわだけ。確認のため、ですよ。[pause] 気づいたら窓が明るくなってて、お腹が空いてて、目の下がひどいことになってました。じごうじとくってこういうことを言うんだなって、夜明けの部屋でひとりで思いましたね。翌朝、鏡を見てちょっと笑いました。[笑] まあ、後悔はしていないです。してないんですけど、睡眠は大事にしてください。本当に。

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で、今夜の尊いのコーナーです。 せっかくBDで見直したので、今夜はハガレン、鋼の錬金術師BROTHERHOODの話をしようと思います。エドとアルの話。 あなた、BROTHERHOODのだいにわ、見たことありますか。序盤も序盤、まだ物語が走り出す前の回想で、泥だらけの幼いエドが「絶対取り戻す」って誓うシーンがあって。あの場面のことを、今日は話したくて。 エドの口から「とうかこうかん」って言葉が出るたびに、わたし毎回思うんですよ。あれって原則論じゃないんですよね、エドにとっては。哲学のふりをした呪い、だと思っていて。「とうかこうかんは真理だ」って言い張れば言い張るほど、その裏に「俺のせいだ」っていう気持ちが透けて見える。罪悪感を哲学に変換することで、自分がこわれないようにしてるだけで。そうしないと立ってられないから、あの子は。それが「とうかこうかん」の正体だとわたしは思ってる。 でね、そこなんですよ、そこ。だいにわの回想で、エドが誓いを口にしたあとに、アルが、何も言わずに、鎧の腕でエドの頭を抱きしめるあのすうびょう。あのカット。[pause] 待って待って待って、あのシーンのことちゃんと考えると無理で、アルって、この時点でもう「兄を守る側」に回ってるじゃないですか。身体を失ったのはアルなのに、先に守る側に動いてるのアルなんですよ。加害者のはずのエドが守られてる。その非対称がもう、なんか、しんどくて、アルは何も責めないし何も言わないし、ただ鎧の腕で頭を抱くだけで、そういうとこなんですよ、アルの。そういうとこが、ずるくて、わたし毎回ここで、もう、……はー。 えっと。そうですね、あの無言のすうびょうに、ふたりの関係が全部入ってると思ってます。

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推しリクエスト便りのコーナーです。 きょうはお便りが届いていないので、わたしから話します。 BROTHERHOOD、ごじゅうわ前後の話で、エドが「アルを取り戻す方法がある」と知るシーンがあって。あそこでエドが最初に確認しようとするのって、自分の腕や脚のコストじゃないんですよ。アルが痛みを感じないか、アルが何かを失わないか、その順番なんです。 これ、セリフの順番の話なんですけど、地味にすごくて。「とうかこうかんで取り戻す」じゃなくて、「アルに何も失わせずに」って方向に思考が向いてる。あの子、自分の犠牲コストを先に計算してないんですよ、あの瞬間。ふつう逆じゃないですか。自分が何を払うか先に見積もって、それで成立するかを考える、それが「とうかこうかん」的な思考回路のはずなのに。 わたしが面白いと思うのは、そこがそのまま「とうかこうかん原則のほころび」の伏線になってるところで。エドはずっと「とうかこうかん」を信じてるって言い続けるんだけど、ほんとうはとっくに自分でそこから外れてるんですよ、アルのことになると。あのごじゅうわ前後のセリフの語順は、その証拠だとわたしは思ってる。兄弟愛が深いとか、そういうまとめ方をするとこぼれちゃう何かが、あの言葉の選び方の中に入ってると思うので。

closing

今夜は「ちかいの言葉」の話をしました。誓いがどういう意味でエドにとって存在していて、それをアルがどう受け止めているか、という話。 [pause] 次回のお便りのお題を読みます。「あなたが好きな作品の中で、セリフがなくても何が伝わっているか分かる、そんな無言のカットを教えてください」。アニメでも映画でも漫画でも、なんでも。言葉がなかったからこそ伝わったもの、ぜひ聞かせてください。 今夜もありがとうございました。真夜中、推しを語らせて、でした。

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